葬儀社天国社によるスタッフブログ

ことさら 文学や詩作に興味があるわけではありません。

高校時代、自習のときたまたま読んだ詩の一節がいまでも頭から離れません。

最初 著者の近影を見たとき「なんや、このかっこつけマント野郎は」

と思いました。中原中也という詩人でした。

「山羊の歌」という詩集のなかの「サーカス」という題の詩です。

作者が没後50年以上過ぎると著作権も消滅するらしいのでご紹介します。

 

『サーカス』    中原中也

幾時代かありまして

  茶色い戦争ありました

幾時代かありまして

  冬は疾風吹きました

幾時代かありまして

  今夜此処でのひとさかり

   今夜此処でのひとさかり

サーカス小屋は高い梁

  そこに一つのブランコだ

見えるともないブランコだ

頭逆さに手を垂れて

  汚れ木綿の屋ねのもと

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

それの近くの白い灯が

  安いリボンと息を吐き

観客様はみな鰯

  咽喉が鳴ります牡蠣殻と

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

 野外は真ッ闇 闇の闇

 夜は劫々と更けまする

 落下傘奴ノスタルヂアと

 ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

 

以上なのですが、この詩の評価は当時から全くわかりませんが

空中ブランコがゆれるさまを ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

と字体で表すのが異常だなと思いました。

 

中学の時 宿題で詩を一作提出するようになったのですが、まったく

思い浮かばず、有名な詩をちょろちょろっとアレンジして提出したところ

先生に即座に看破されこっぴどく叱られたあげく放課後までにオリジナルを

二作提出して帰れっ!と言われトホホと思ったのは

業務の永倉です(失笑)